deep State 2019 12 1

書名 アメリカは中国を破産させる
著者 日高 義樹  悟空出版

 「deep State」(ディープ・ステート)とは、
「見えない政府」や「匿名の権力」という意味かもしれません。
 日本では、最近、いわゆる「モリカケ問題」で、
およそ、2年間にわたって紛糾して、
国民から見れば、国会が機能停止状態でした。
政府も、こうした問題に巻き込まれて混乱していました。
 多くの国民は、「国家の運営は、どうなっているのか」と思ったでしょう。
国会も政府も、外交や国防、あるいは社会保障など、
重要な課題を放り出して、「モリカケ問題」に夢中になっていたのですから、
ディープ・ステートがなければ、国家の運営は成り立たないという理屈になります。
 いや、ディープ・ステートがあるからこそ、
国会も政府も、「モリカケ問題」に夢中になることができたと言うべきでしょうか。
 しかし、そもそも、「モリカケ問題」の追求は、
週刊誌の記者がやるべき問題であって、
巨額の税金を費やして国会や政府が夢中になる問題ではなかった。
そんな暇があるならば、外交や国防や社会保障に夢中になってほしかったと言いたい。
 もちろん、国会議員も反論があるでしょう。
外交や国防や社会保障を議論しても、「視聴率」が取れない。
 我々は、芸能人と同じで、人気稼業であるので、
「視聴率」が取れるテーマに専念したい。
 外交や国防や社会保障という地味なテーマは、
つまり、「視聴率」が取れないテーマは、
ディープ・ステートに任せたい。
 さて、この本から引用しましょう。
トランプ大統領をめぐる弾劾騒ぎは、
そうした現在のアメリカを象徴している。
 アメリカでは、激しい政治的内戦が始まった。
この戦いで、トランプ大統領を倒すことだけを政治目標にしている
野党民主党の政治家たちは、オバマ前大統領のもとで、
中国やロシアに対抗することもせず、白旗を掲げ、
世界の指導的な役割を放棄してしまった。
(引用、以上)
 ところで、風の噂では、
アメリカでは、ディープ・ステートも政府も、
中国を倒すことで一致しているという。
 忙しい国である。
確か、十数年前は、ディープ・ステートも政府も、
中国を超大国にすると言っていたはずである。
 やはり、中国が世界の覇権を取りたい意図があることや、
習近平国家主席が終身制の「皇帝」になったことが、
アメリカの逆鱗に触れたというのでしょうか。
 あるいは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)をめぐる、
世界各国の動きがアメリカの逆鱗に触れたというのでしょうか。

FONプログラム 2015 10 3

 オバマ政権は、クリミア半島を併合したロシアに対しては、
ライオンのごとく吠え、
南シナ海を併合した中国に対しては、沈黙を守ってきました。
 これが、親中政権であるオバマ政権の基本政策であると、
私は、何度も何度も書いてきました。
 南シナ海の「領海化」を推進する中国に対しては、
日本政府は、強く反対してきましたが、
アメリカ政府は、公認してきました。
 2015年10月1日、「JB PRESS」で、
北村淳氏は、このような記事を書いています。

ホワイトハウスがアメリカ海軍に圧力 「中国を刺激するな」
オバマ政権は中国の人工島を容認してしまっているのか?

 アメリカ連邦議会の上院軍事委員会が公聴会を開いた。
そこで取り上げられた問題の1つが、
アメリカ軍が、南沙諸島で中国が建設中の人工島に対して、
適切に「FONプログラム」を実施しているのかという問題であった。
 FONプログラムとは、
「Freedom of Navigation(自由航行原則)プログラム」の略語であり、
「世界中の海洋で、自由航行原則が脅かされる可能性がある場合、
そのような事態の是正を求める」というアメリカの国家政策を意味する。
 具体的には、自由航行原則を侵害するような政策を打ち出している国家に対して、
国務省のFON担当外交団が、
警告を与えたり是正のための話し合いをしたりするという外交的手段をまずは実施する。
 それとともに、問題となっている海域に軍艦や航空機を派遣して、
「アメリカ政府は断固として自由航行原則を守り抜くぞ」という意思表示を行うのである。
(中略)
 実は、太平洋艦隊や第7艦隊などで参謀を務めていたアメリカ海軍関係者たちによると、
アメリカ海軍では、以前より、
人工島をはじめとして中国が領有権を主張している、
島嶼環礁周辺12海里以内でのFON作戦をしばしば計画したという。
しかしながら、政治的な配慮から、そのような作戦計画は日の目を見ることがなかったという。
 「ホワイトハウスやペンタゴン上層部には、
『中国を挑発するような作戦行動は慎まなければならない』という『不文律』が存在し続けているために、
そのような作戦は、ことごとく『上からの干渉』によって立ち消えになってきた経緯がある」
(引用、以上)

































































































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